目次
・住宅の換気システムとは?
・24時間換気システムの種類:①第一種換気(強制給気・強制排気)
・24時間換気システムの種類:②第二種換気(強制給気・自然排気)
・24時間換気システムの種類:③第三種換気(自然給気・強制排気)
・24時間換気システムのメリット
・24時間換気システムのデメリット・注意点
・24時間換気システムで快適な暮らしを実現!
住宅の換気システムとは?
住宅の「換気システム」についてご存じでしょうか?
住宅の換気システムは、24時間休まず、常に家のなかの換気を行うシステムのことを指し、「24時間換気システム」と呼ばれています。
換気の量としては、1時間に家のなかの空気の半分を入れ替える「換気量0.5回/h」が基準となります。この基準は、健康に暮らすための換気量として、建築基準法により定められています。そのため、新築住宅を建築時は、24時間換気システムの設置は必須となります。
24時間換気システムには、「第一種換気」、「第二種換気」、「第三種換気」の3種類が存在します。それぞれ、給気(外の空気を取り入れること)と排気(家のなかの空気を外に出すこと)の方法に違いがあります。
24時間換気システムの種類:①第一種換気(強制給気・強制排気)
第一種換気は、給排気ともに機械を使って強制的に行う方式のことを指します。
第一種換気には熱交換器を取り付けることもできます。熱交換器には、大きく分けて以下の2種類が存在します。
○全熱交換器:排気する空気から、「熱」「湿気」を給気する空気に戻す。
○顕熱交換器:排気する空気から、「熱」のみを給気する空気に戻す。
排気する空気から、「熱」や「湿気」を給気する空気に戻すことで、室内の温度が下がりにくくなるので、省エネ効果が高まります。なお、全熱交換器のほうが、顕熱交換器よりも省エネ効果は高くなります。
第一種換気のメリット
第一種換気のメリットは、以下の通りです。
○給排気共に機械換気なので、3種類の換気システムのなかで空気の流れを最も制御しやすい。
○上記で解説したとおり、熱交換器を取り付けることで住宅の省エネ性能をアップできる。
第一種換気のデメリット
第一種換気のデメリットは、以下の通りです。
○第二種、第三種換気に比べるとコストが高くなる。
○給排気共に機械制御のため、故障リスクは第二種、第三種換気に比べると高い。
○吸気側のダクト内に溜まったホコリを、数年ごとに業者に依頼して清掃してもらう必要がある。(ランニングコストがかかる)
24時間換気システムの種類:②第二種換気(強制給気・自然排気)
第二種換気は、給気は機械を使った強制給気、排気は自然排気となります。屋外に比べて室内のほうが気圧が高くなる「正圧」状態となるため、空気は自動的に屋内から屋外へと排気されていきます。
第二種換気のメリット
第二種換気のメリットは、以下の通りです。
○室内のほうが気圧が高くなる「正圧」状態のため、花粉やホコリなどの侵入を防ぎやすくなる。
○第一種換気に比べるとコストを抑えることができる。
第二種換気のデメリット
第二種換気のデメリットは、以下の通りです。
○室内の湿気が壁内に侵入して発生する「壁内結露」が発生しやすくなる。
○住宅に高い気密性が求められる。住宅の気密性が低い場合、「正圧」の状態を保てなくなり、外部から花粉・ホコリが侵入しやすくなってしまう。
24時間換気システムの種類:③第三種換気(自然給気・強制排気)
第三種換気は、給気はフィルターつきの自然給気、排気は機械を使った強制排気となります。この場合、屋外に比べ屋内の気圧のほうが低い「負圧」となり、外部からホコリや花粉などが侵入しやすくなる反面、壁で区切られている部屋の場合、他の部屋への空気の流出を防ぐことができます。
そのため、トイレや浴室、台所など、換気扇で排気をする場所に採用されることが多いのが「第三種排気」です。
第三種換気のメリット
第三種換気のメリットは、以下の通りです。
○コストが第一種、第二種換気よりも安価。
○構造がシンプルなため、ランニングコストやメンテナンスコストも安い。
第三種換気のデメリット
第三種換気のデメリットは、以下の通りです。
○室内が負圧なため、外部からホコリや花粉などが侵入しやすくなる。
○住宅に高い気密性が求められる。気密性が低い場合、ほとんど換気されない部屋になってしまう。
24時間換気システムのメリット
ここからは、24時間換気システムのメリットについてご紹介していきます。
コロナ・花粉・PM2.5対策になる
第一種、第二種換気は、室内を正圧にすることができるので、花粉やPM2.5の侵入を防ぐことができます。また、第一種換気は、正圧・負圧を制御できるため、室内のウィルスを外部に排気することも可能です。
住宅の省エネ性が向上する
熱交換器を取り付けた第一種換気の24時間換気システムを設置することで、住宅の省エネ性能を向上させることができます。
CO2(二酸化炭素)濃度の軽減に役立つ
例えば4人家族で暮らしている場合、締め切った室内では、二酸化炭素の濃度が基準となる「1000ppm以下」を簡単に超えてしまいます。24時間換気システムは、良好な空気環境を保つ上でなくてはならない存在です。
シックハウス対策として有効
24時間換気システムの義務化のきっかけになったとも言われている、ホルムアルデヒドなどによるシックハウス症候群に効果的です。
結露対策になる
24時間換気システムを設置することで、住居のキッチンやお風呂、水回り、住人(人間)から発生する水蒸気を、屋外に排出することが可能です。これにより、住宅の寿命に悪影響を及ぼす結露を防ぐ効果が期待できます。
24時間換気システムのデメリット・注意点
ここからは、24時間換気システムのデメリット・注意点についても見ていきましょう。
外部からホコリや花粉、PM2.5などが入ってくるリスクがある
外気から給気を行っている24時間換気システムは、外気中に漂っているホコリ・花粉・PM2.5などを室内に入れてしまうリスクがあります。特に、自然給気をおこなっている「第三種換気」の24時間換気システムの場合、フィルターが付いているとは言え外部のホコリや花粉は入りやすくなります。
トイレなどの密閉された空間なら「第三種換気」でも良いですが、その他のリビングや家全体を24時間換気する場合は、外部からのホコリや花粉の侵入を防ぎやすい「第一種換気」を採用しましょう。また、気密性が高い住宅であれば、「第二種換気」もオススメです。
外気温の影響を受けやすくなる場合も
24時間換気システムの目的は、家の中と外を24時間換気し続けることで、家の中の空気を新鮮に保つことにあります。そのため、外気温の影響を受けやすくなり、「空調が効きにくい」と感じる場合もあるかもしれません。
ただし、外気温の影響を受けやすいのは「第二種換気」および「第三種換気」の24時間換気システムである場合がほとんどです。
熱交換器を取り付けた「第一種換気」の場合、排気する空気から、「熱」と「湿気」を給気する空気に戻すことが可能です。そのため、室内の温度を下げることなく、換気することが可能になります。
特に高気密の住宅の場合は、熱交換器を取り付けた「第一種換気」の24時間換気システムがオススメです。
こまめなメンテナスが必要
24時間換気システムは、種類を問わず外部からのホコリや花粉、PM2.5などをフィルターでキャッチして、室内に入り込むことをあるていど防いでいます。
そのため、フィルターや給排気口を定期的にお掃除しないと、室内に給気される空気を清潔に保つことができません。
なお、自分でメンテナスする時間がなかったり、面倒な場合は、クリーニング業者に依頼することもできるので検討してみましょう。
24時間換気システムで快適な暮らしを実現!
この記事では、24時間換気システムについて、種類やメリット・デメリット、24時間換気システムが果たしている役割などについてご紹介してきました。
新築住宅には設置が義務化されている24時間換気システムだからこそ、各種類の性質を正しく理解し、適切に設置していくことが快適な住環境のためにも大切です。
24時間換気システムについてのご不明点・ご相談がございましたら、熊本県の住宅会社「As・Rising」まで、お気軽にお問い合わせください。
最後に、As・Risingの「建ててよかった」と心から思える家づくりについて、参考になる記事をご紹介していきます。
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