この記事では、住宅の性能評価基準として、「ZEH(ゼッチ)」、「BELS(建築物エネルギー性能表示制度)」、「長期優良住宅」の3つにスポットを当てて、メリット・デメリットや適応条件などをご紹介します。
目次
・住宅の性能評価基準ってなに?
・ZEH(ゼッチ)
・BELS(建築物エネルギー性能表示制度)
・長期優良住宅
・その他の評価基準
・性能評価基準を満たした家づくりなら「As・Rising」へ!
住宅の性能評価基準ってなに?
住宅に「性能評価基準」というものがあることをご存知でしょうか?
住宅の性能を表す「性能評価基準制度」は、平成12年4月1日に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づいて、住宅の省エネルギー性や耐震性などの性能基準をより明確に表示することを目的に行われています。
また、「性能評価基準制度」の他にも、「長期優良住宅認定制度」や「低炭素建築物認定制度」など、住宅の性能を表す様々な基準が存在しています。
この記事では、最近特に注目を浴びている「ZEH(ゼッチ)」、「BELS(建築物エネルギー性能表示制度)」、「長期優良住宅」を中心に解説していきます。
ZEH(ゼッチ)
ここでは、ZEHの概要やメリット・デメリットについて解説します。
ZEH(ゼッチ)とは?
ZEH(ゼッチ)とは、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(Net Zero Energy House)の略で、すごく簡単に言うと「省エネ性能や断熱性に優れた住宅」という意味になります。
なお、経済産業省では、ZEHは以下のように定義されています。
外皮の高断熱化及び高効率な省エネルギー設備を備え、再生可能エネルギ
ZEHの定義(改定版)<戸建住宅>(pdf)|経済産業省
ー等により年間の一次エネルギー消費量が正味ゼロまたはマイナスの住宅
ZEHを構成する3つの条件
ZEHの家は、以下3つの条件を満たすことで、創り出すエネルギー(電力)が消費するエネルギーを上回る住宅のことを指します。
○断熱:断熱性能をアップしてエネルギーロスを最小限化
○省エネ:HEMSや省エネ性能の高い機器の導入
○創エネ:太陽光発電で電気を創り出す
なお、経済産業省では、ZEHの条件は以下のように定められています。
以下の①~④のすべてに適合した住宅
ZEHの定義(改定版)<戸建住宅>(pdf)|経済産業省
① ZEH強化外皮基準(地域区分1~8地域の平成 28 年省エネルギー基準(ηAC 値、気密・防露性能の確保等の留意事項)を満たした上で、UA 値[W/m2K] 1・2地域:0.40 以下、3地域:0.50 以下、4~7地域:0.60 以下)
② 再生可能エネルギーを除き、基準一次エネルギー消費量から 20%以上の一次エネルギー消費量削減
③ 再生可能エネルギーを導入(容量不問)
④ 再生可能エネルギーを加えて、基準一次エネルギー消費量から100%以上の一次エネルギー消費量削減
ZEHの種類(ZEH+やNearly ZEH、ZEH Oriented)
ZEHには以下のような種類があります。
●ZEH(ゼッチ)
ZEH(ゼッチ)は、これまで説明してきた通り、断熱+省エネで一次エネルギー消費量(1年間に住宅設備で消費するエネルギーの指標)を20%以上削減できることに加え、創エネ(太陽光発電等の再生可能エネルギー)を含めて一次エネルギー消費量を100%以上削減できることが条件となっています。
●ZEH+(ゼッチプラス)
ZEH+(ゼッチプラス)は、ZEHよりもさらに高性能な住宅のことを指します。具体的には、ZEHの条件をすべて満たした上で、断熱+省エネで一次エネルギー消費量を25%以上削減できる必要があります。また、「外皮性能の更なる強化」「電気自動車を活用した自家消費の拡大措置(EV充電設備の設置)」「高度エネルギーマネジメント(HEMSの導入)」のうち、2つ以上を採用しなくてはいけません。
●次世代ZEH+(じせだいゼッチプラス)
次世代ZEH+(じせだいゼッチプラス)は、ZEH+の条件を満たした上で、「蓄電システム」、「燃料電池」、「V2H充電設備(充放電設備)」、「太陽熱利用温水システム」のうち1つ以上を導入した住宅のことを指します。これらの住宅設備の導入により、再生可能エネルギーの自家消費をさらに拡大することができます。
●Nearly ZEH(ニアリーゼッチ)
Nearly ZEH(ニアリーゼッチ)とは、創エネ(太陽光発電等の再生可能エネルギー)を含めた一次エネルギー消費量を75%以上削減できる住宅のことを指します。日照時間が少ない地域や積雪量が多い地域などを考慮したZEHが、Nearly ZEHになります。
●Nearly ZEH+(ニアリーゼッチプラス)
Nearly ZEH+(ニアリーゼッチプラス)とは、Nearly ZEHの条件を満たしつつ、断熱+省エネで一次エネルギー消費量を25%以上削減できる必要があります。また、「外皮性能の更なる強化」「電気自動車を活用した自家消費の拡大措置(EV充電設備の設置)」「高度エネルギーマネジメント(HEMSの導入)」のうち、2つ以上を採用しなくてはいけません。
●ZEH Oriented(ゼッチオリエンテッド)
ZEH Oriented(ゼッチオリエンテッド)は、都市部など敷地面積85m2未満のZEHです。太陽光発電(再生可能エネルギー)を導入する必要はありませんが、断熱+省エネで一次エネルギー消費量を20%以上削減できる必要があります。
ZEH住宅のメリット
ZEH住宅の最大のメリットは「エネルギーの自給自足が可能になる」ということです。もっと分かりやすく言うと、「電気代が掛からなくなる」ということです。
またZEHの基準を満たした住宅には「ZEHマーク」が表示されます。新居をご購入する場合など参考にされてみてはいかがでしょうか。
ZEH住宅のデメリット
ZEH住宅のデメリットは、初期費用が高額になりがちという点でしょう。太陽光発電もシステム容量によりますが100~150万円程度はかかりますし、HEMSや省エネ性能に優れた家電機器にも費用がかかります。
ただし、2019年現在、国はZEHの普及を推進しており、補助金などの支援を行っています。補助金を使うことで、ZEHにかかる費用を抑えることができます。
ZEHについてさらに詳しくは、以下の記事をご覧ください。
>>ZEH住宅ってなに?ゼッチの定義や種類!メリットや補助金も|エーエス・ライジング株式会社
>>ZEHで貢献!ハウスメーカー「As・Rising」のSDGsへの取り組み|エーエス・ライジング株式会社
>>サステナブル住宅とは?2022年に持続可能な家を建てる意義やメリット|エーエス・ライジング株式会社
BELS(建築物エネルギー性能表示制度)
ここでは、BELS(建築物エネルギー性能表示制度)の概要やメリット・デメリットについて解説します。
BELS(建築物エネルギー性能表示制度)とは?
BELS(ベルス)は、「Building-Housing Energy-efficiency Labeling System」の略で、住宅の省エネ性能を星マークなどで分かりやすく表示する制度です。正式名称を「建築物エネルギー性能表示制度」と言います。
なお、「一般社団法人 住宅性能評価・表示協会」によるBELSの概要は以下のとおりです。
BELSは、第三者評価機関が省エネルギー性能を評価・表示する制度で、平成26年4月より非住宅において開始された制度である。
建築物省エネ法に基づく省エネ性能の表示制度について|一般社団法人 住宅性能評価・表示協会
平成28年4月より、対象範囲が住宅に拡充されると共に、建築物省エネ法第7条に基づく建築物の省エネ性能表示のガイドラインにおける第三者認証の1つとして運用が開始された。
BELSで評価される住宅の省エネ性能は、以下の2つです。
○外皮性能
○一次エネルギー消費量(給湯、冷暖房、換気、証明設備の消費エネルギーを合算)
BELS(建築物エネルギー性能表示制度)のメリット
BELSのメリットは、住宅の省エネ性能が明確にわかるということです。住宅の省エネ性能は、本来は専門的な知識がないと判断が難しいですが、BELSの評価基準によって知識がない方でも星の数で明確に判断することができます。
BELS(建築物エネルギー性能表示制度)のデメリット
BELSのデメリットとしては、通常の住宅に比べて初期費用が高い点が挙げられます。ただし、ZEHと同じように補助金を活用することで、このデメリットはある程度クリアすることができます。
BELS(建築物エネルギー性能表示制度)についてさらに詳しくは、以下の記事をご覧ください。
>>BELSとは?建物の省エネ性能を評価できるベルスの基準やメリット|エーエス・ライジング株式会社
長期優良住宅
ここでは、長期優良住宅の概要やメリット・デメリットについて解説します。
長期優良住宅とは?
長期優良住宅とは、その名の通り長く安心して快適に暮らせる住宅のことで、平成21年に施行された「長期優良住宅認定制度」の基準をクリアした住宅のことを指します。
なお、国土交通省による長期優良住宅の説明は以下のとおりです。
長期優良住宅は、長期にわたり良好な状態で使用するための措置講じられた優良な住宅です。
住宅:長期優良住宅のページ – 国土交通省
長期優良住宅の建築及び維持保全の計画を作成し、所管行政庁に申請することで認定を受けることができます。
新築についての認定制度は平成21年6月4日より、既存住宅を増築・改築する場合の認定制度は平成28年4月1日より開始しています。
「長期優良住宅」の認定基準は以下の9つです。
①バリアフリー性(将来的なバリアフリーリフォームへの対応)
②間取りなどの可変性
③耐震性(耐震等級2以上、免震建築物など)
④省エネルギー性(省エネルギー対策等級4以上)
⑤劣化対策(劣化対策等級3相当、330mm以上の床下空間を確保)
⑥住戸面積(1フロア最低40m2以上/一戸建て:75m2以上)
⑦居住環境(良好な景観、地域の居住環境の維持や向上)
⑧維持保全計画(定期的な点検・補修)
⑨維持管理・更新の容易性
長期優良住宅のメリット
長期優良住宅のメリットは、以下が挙げられます。
○住宅ローンの控除(最大控除額:10年間で500万円)
○不動産取得税の控除額が100万円アップ(一般住宅1200万円に対し長期優良住宅は1300万円)
○登録免許税が不動産価格の0.1%に優遇(一般住宅は0.15%)
○固定資産税が2分の1になる減額措置期間が延びる(戸建:5年間、マンション7年間)
○条件を満たせば補助金が出る場合もある
長期優良住宅のデメリット
主に税金面でメリットが大きい長期優良住宅のデメリットは、申請手続きが少し複雑であるという点です。「長期優良住宅建築等計画等」の作成から、「所管行政庁から認定通知書受理」まで7つの工程があります。
個人でやるのは少し大変だと思いますので、認定を受けたい場合はハウスメーカーや住宅会社に申請を依頼すると良いでしょう。
その他の評価基準
ここでは、上記で紹介しきれなかった評価基準を一覧でご紹介します。
○耐震性
○火災に対する安全性
○柱・土台などの耐久性
○低炭素建築物
○性能向上計画
○省エネ適合性判定
○高齢者や障害者への配慮
○シックハウス対策や換気性能
性能評価基準を満たした家づくりなら「As・Rising」へ!
この記事では、住宅の性能評価基準として、主に「ZEH(ゼッチ)」、「BELS(建築物エネルギー性能表示制度)」、「長期優良住宅」の3つにスポットを当ててご紹介してきました。
また、最後にご紹介した通り、この3つの他にも性能評価基準はまだまだあります。
もし、これから熊本県内でお家を建てようと思っている方で、
「それぞれの性能評価基準のメリットをもっと詳しく知りたい!」
「ZEHや長期優良住宅などを満たした家を建てたい!」
などのご要望がありましたら、熊本県の住宅会社「As・Rising」までお気軽にお問い合わせください。