断熱材の種類は?熱伝導率や防火・防音など性能一覧と選び方

豆知識

2023.11.17

目次

・そもそも断熱材の役割とは?
・主要な断熱材は2種類
・発泡プラスチック系断熱材のメリット・デメリット
・繊維系断熱材のメリット・デメリット
・結局どの断熱材がいいの?
・「As・Rising」では断熱材「アクアフォーム」を標準装備!

そもそも断熱材の役割とは?

断熱材の役割は、家の中と外の熱の伝達をしにくくすることにあります。熱の伝達をしにくくするとどうなるかと言いますと、家の中の熱が外に逃げにくくなり、外からの熱は家の中に入りにくくなります。

断熱材は冬場と夏場で以下のようなメリットがあります。

断熱材の冬場のメリット

○家の中の熱を外に逃しにくくなり、家の中の暖気をキープできる。
○外から冷気が家の中に入ってくるのを抑える。

断熱材の夏場のメリット

○屋根や壁からの輻射熱を防ぎ、家の中の温度上昇を抑える。
○エアコンなどで冷やした室内の空気が、外部へ漏れるのを抑える。

主要な断熱材は2種類

断熱材には様々な種類があり、はじめて家を建てる方ですと選ぶのが難しいと思います。しかし、実は断熱材の主な種類は以下の2種類に分類することができます。

発泡プラスチック系断熱材

「発泡プラスチック系断熱材」は、発泡させたプラスチックに無数の小さな泡を閉じ込めた構造をしている断熱材です。発泡プラスチックの中に閉じ込められている泡のサイズや数により、断熱性能(熱伝導率)が変化します。

「発泡プラスチック系断熱材」の主な種類は以下の通りです。

断熱材の名称(種類)熱伝導率(W/m・K)防火性能防音性能防湿性能
ポリスチレンフォーム(ビーズ法)0.041
ポリスチレンフォーム(押出法)0.040
硬質ウレタンフォーム(アクアフォーム)0.036
吹付け硬質ウレタンフォーム(アクアフォームNEO)0.021
フェノールフォーム0.020

繊維系断熱材

「繊維系断熱材」は、細かい繊維を複雑に絡み合わせ、その繊維の隙間に空気を閉じ込めた構造をしている断熱材です。絡み合わせる繊維の太さや密度により、断熱性能(熱伝導率)が変化します。

「繊維系断熱材」の主な種類は以下の通りです。

断熱材の名称(種類)熱伝導率(W/m・K)防火性能防音性能防湿性能
グラスウール(10K/32K)0.050/0.036
ロックウール0.038
セルロースファイバー0.040
ポリエステル断熱材0.045
羊毛断熱材0.040

発泡プラスチック系断熱材のメリット・デメリット

ここからは、発泡プラスチック系断熱材のメリット・デメリットについてお伝えしていきます。

ポリスチレンフォーム(ビーズ法/押出法)のメリット・デメリット

●ポリスチレンフォーム(ビーズ法/押出法)のメリット
○結露の発生を防ぎやすい
○耐水性が高い
○断熱性能が劣化しにくい

●ポリスチレンフォーム(ビーズ法/押出法)のデメリット
○火・熱に弱い
○シロアリに弱いのでシロアリ対策(防蟻処理)が必要

硬質ウレタンフォームのメリット・デメリット

●硬質ウレタンフォームのメリット
○断熱性能が高い
○家の断熱性能がアップするので電気代の節約になる
○水に強く、結露やカビの発生を抑制できる

●硬質ウレタンフォームのデメリット
○価格が高い(建築コストが増加)
○燃えた時に有毒ガスが発生する

フェノールフォームのメリット・デメリット

●フェノールフォームのメリット
○断熱性能が高い
○湿気・水分がに強い
○耐熱性に優れている
○燃えにくいので有毒ガスの心配もほぼ無い
○耐久力があり経年劣化しにくい

●フェノールフォームのデメリット
○価格がとても高い(建築コストが増加)
○シロアリに弱いのでシロアリ対策(防蟻処理)が必要

繊維系断熱材のメリット・デメリット

ここからは、繊維系断熱材のメリット・デメリットについてお伝えしていきます。

グラスウールのメリット・デメリット

●グラスウールのメリット
○価格が安価で広く普及している
○防火性に優れている(燃えにくい)
○防音性(吸音性)に優れている
○シロアリの食害に強く劣化しにくい

●グラスウールのデメリット
○湿気に弱いので、防湿気密フィルムなどの対策をしないと内部結露で腐朽のリスクがある

ロックウールのメリット・デメリット

●ロックウールのメリット
○断熱性能に優れている
○防火性に優れている(燃えにくい)
○防音性(吸音性)に優れている
○耐久性・脱水性に優れており経年劣化しにくい

●ロックウールのデメリット
○グラスウールに比べると価格が高い
○湿気に弱いので、防湿気密フィルムなどの対策をしないと内部結露で腐朽のリスクがある

セルロースファイバーのメリット・デメリット

●セルロースファイバーのメリット
○断熱性能に優れている
○内部結露の発生を防ぎやすい
○防音性(吸音性)に優れている
○防虫効果がある(シロアリ・ゴキブリ)
○防火性に優れている(燃えにくい)

●セルロースファイバーのデメリット
○価格が高い
○施工ができる専門業者を探す必要がある

ポリエステル断熱材のメリット・デメリット

●ポリエステル断熱材のメリット
○防火性に優れている(燃えにくい)
○防音性(吸音性)に優れている
○透湿性能が高く湿気を吸いにくいので、断熱性能が化しにくい
○人体に安全な素材

●ポリエステル断熱材のデメリット
○グラスウールに比べると価格が倍程度
○燃焼した場合、一酸化炭素(CO)や二酸化炭素(CO2)を放出するリスクがある

羊毛断熱材のメリット・デメリット

●羊毛断熱材のメリット
○防虫効果が高く、半永久的に継続すると言われている
○高い調湿力・断熱性が期待できる
○耐久性に優れている

●羊毛断熱材のデメリット
○価格が高い
○比較的新しい素材のため、施工業者を探すのが難しい場合も

結局どの断熱材がいいの?

上記では、「発泡プラスチック系断熱材」と「繊維系断熱材」それぞれに属する断熱材を一覧表で比較・紹介しました。しかし、一覧表を見ただけでは「どの断熱材にするべきか」までは判断がつかないと思います。

ここでは、断熱材を選ぶ際の基準をご紹介していきます。

熱伝導率の数字は参考程度

上記の一覧表にも載っていますが、断熱材には断熱性能を表す「熱伝導率」という値があります。一般的にこの「熱伝導率」が小さいほど、優秀な断熱材であるとされています。

しかし、この「熱伝導率」ですが、例えば熱伝導率「0.036W/m・K」のウレタンフォーム(アクアフォーム)と、熱伝導率「0.020W/m・K」のフェノールフォームを比べた場合、フェノールフォームのほうが熱伝導率の数値的には優れていますが、人間がその微妙な違いを体感することはほぼ無いでしょう。

従って、熱伝導率はあくまでも参考程度に考えるべきです。

防火・防音・防湿性能で選ぶ

熱伝導率が参考程度だとすると、残りの防火・不燃性能や防音・吸音性能などで選ぶことになります。詳しくは上記の一覧表をご覧いただきたいのですが、大まかにまとめると以下のようになります。

○発泡プラスチック系断熱材:湿気に強いが防火・防音性能はイマイチ
○繊維系断熱材:防火・防音性能は発泡プラスチック系よりも優れているが、湿気に弱い

最終的には予算と相談して決めるのがオススメ

上記では断熱材の性能についてご紹介してきましたが、結局のところ一長一短で、万能の断熱材は存在しないことが分かると思います。また、性能が高い断熱材ほど価格も高くなってしまう傾向にあります。

家の断熱材を選ぶ際は、最終的な建築予算と相談しながら決めることをオススメします。

「As・Rising」では断熱材「アクアフォーム」を標準装備!

弊社「As・Rising」では、すべての家に断熱材の「アクアフォーム」を標準装備しています。

「アクアフォーム」は、ウレタンフォームの一種でありながら防火構造(30分)および準耐火構造(45分)の認定を受けています。また、アクアフォームは火災の際でも液化せず、約300~400℃でも固体の状態で燃焼を続け、最終的に炭化します。

このように、発泡プラスチック系断熱材でありながら一定の防火性能も備えた「アクアフォーム」を全ての住宅に使用することで、お家を建てた後のお客様の人生も守っています。

断熱材についてもっと詳しく知りたい方や、熊本にお住まいで弊社に家の建築をご依頼したい方は、弊社までお気軽にお問い合わせください。

最後に、As・Risingの「建ててよかった」と心から思える家づくりについて、参考になる記事をご紹介していきます。

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